CONVERSEシューズを輸入すると税関に差止めされることになった理由について調べてみました。
ご存知の方も多いと思いますが、CONVERSEシューズを輸入すると税関で差止めの対象となります。
下記はコンバースジャパン株式会社に掲載されている文書です。
CONVERSEシューズの輸入に関する件(クリックで該当ページにジャンプ)
で、こうなってしまった理由を調べてみました。
1.CONVERSEシューズを輸入すると税関に差止めされることになった理由
そもそも2006年より前から、伊藤忠商事株式会社(以下伊藤忠)は米国のCONVERSEシューズを輸入販売していた株式会社ロイヤルに対して、CONVERSEシューズの輸入・販売を中止するよう再三警告したようです。
警告の理由は、輸入・販売行為が日本国内での「コンバース」の商標権者である伊藤忠に対する商標権侵害になると、伊藤忠が主張していたためです。
が、ロイヤルは警告を聞かずに販売を続けていました。
そのため、伊藤忠商事株式会社およびコンバースフットウェア株式会社・コンバースジャパン株式会社が商標権侵害をめぐる訴訟を提起しました。
ロイヤルは「自分が扱っている商品こそ本物のコンバース」という自信があった、つまり輸入販売行為は「真正商品の並行輸入」として適法であると主張していましたが、
「米コンバースが本物のスニーカーであったとしても、米国の商標権者と関係のない伊藤忠などが日本で商標権を保有している以上、国内の商標権者の許諾無しに米コンバースのスニーカーを日本国内に輸入することはできない」
と判断され、株式会社ロイヤルに対し、CONVERSEシューズの輸入販売の差し止めと損害賠償金の支払いなどを命じる内容の判決が下されました。
で、輸入販売差し止めはロイヤルだけでなく、商標権者以外のすべてにおよぶので、結果的に税関に差止めされるということになったようです。
参考:
2.米コンバースと伊藤忠の商標権者が異なる理由
さてここで気になるのは、「なぜ米コンバースと伊藤忠の商標権者が異なるのか?」ということです。
実は現在の米コンバースは元の米コンバース社ではありません。
旧米コンバース社は、昭和39年頃から日本国内の会社を正規代理店として、コンバース商標の標章が付された運動靴を日本に輸出していました。
ところが平成13年、旧米コンバースは倒産(厳密には倒産手続きを開始)。
コンバース商標に係る商標権は、新たに設立された「Footwear Acquisition, Inc.」社(以下新米コンバース)に譲渡されました。
新たに設立した新米コンバースは、コンバース商標に係る日本での商標権を「伊藤忠」に譲渡しました。
伊藤忠は、譲渡された日本でのコンバース商標に係る商標権に基づき、平成17年に設立された「コンバースフットウェア株式会社」にコンバース商標を付した運動靴の製造をさせ、国内の小売店などに販売させることになりました。
そして「Footwear Acquisition, Inc.」社はのちに「Converse, Inc.」社に商号を変更します(変更時期は不明)。
こういったいきさつで、米コンバースと伊藤忠は同じ「コンバース」であるにもかかわらず、商標権者が異なることになったようです。
参考:
表現が適切でない部分があるかもしれませんので、記載内容については参考程度とし、気になる方はご自身で調べて頂けるとありがたいです。