スニーカーがビジネスシューズ(紳士・婦人靴)よりちょっと大きいサイズを選ぶ理由を調べました。
スニーカーもビジネスシューズも大体同じサイズを履いているのですが、ネットで「スニーカーはビジネスシューズより0.5cm大きいものを」といった記事をたまにみかけます。
スニーカーだけ少し大きいサイズを選ぶ理由が分からなかったのですが、色々調べてわかったことがあるので、この記事にまとめてみました。
1.スニーカーとビジネスシューズのサイズ表記の違い
まず、スニーカーとビジネスシューズではサイズ表記の基準が異なっている(ため、スニーカーはビジネスシューズよりちょっと大きいサイズを選ぶ)という記事があったので、それをまとめます。真偽は定かではありません。
スニーカーは、製靴時に使う靴型(木型)の全長を使ってサイズ表記します。
これに対し、ビジネスシューズは足の長さ(親指の先からかかとまで)を使ってサイズ表記します。
またスニーカーやビジネスシューズに限らず、すべてのシューズには「捨て寸」という空間(歩行時につま先に指が当たらないための、つま先部分の余り) を設けています。
よって、同じ26.0cm表記のスニーカーとビジネスシューズの場合、仮に捨て寸が1.0cmとすれば、捨て寸を含んだ寸法は下記のようになります。
種類 | 表記 | 捨て寸を含んだ寸法 |
---|---|---|
スニーカー | 26.0cm | 26.0cm |
ビジネスシューズ | 26.0cm | 27.0cm |
ビジネスシューズで26.0cmがジャストサイズであれば、ビジネスシューズの実際の長さは捨て寸含めて26.0cm+αなので、捨て寸がないスニーカーの場合、26.5cmまたは27.cmがジャストということになります。
捨て寸は一定ではなく、靴のタイプやメーカーによって異なります。
2.JIS規格について
別の観点で考察します。
日本では、1983年に「靴のサイズ(JIS S 5037)」が制定(1998年改正)されました。
JIS S 5037:1998 靴のサイズ - 日本工業規格の簡易閲覧
ここからの抜粋で、
サイズは,足長と足囲又は足長と足幅で表し〜
とあり、「足長」の定義は、
平らで水平なところに直立し,両足を平行に開いて平均に体重をかけた姿勢のときの,かかとの後端[しょう(踵)点]から最も長い足指の先端までの距離。
となっています。
つまり、靴型の寸法ではなく、足の寸法を「サイズ」にするという規格が制定されています。
まとめると、1998年以降の国内製品については、ビジネスシューズやスニーカーなどの種類にかかわらずJIS規格にしたがったサイズ表記になっている、と解釈できます。
JISには定義されていませんが、このサイズを「足入れサイズ」と呼ぶようです。
3.海外製品について
海外メーカーはそもそもJIS規格対象外なので、靴型サイズである可能性もありますし、メーカーやデザイン、さらに個体ごとの誤差もあると思います。
また「海外製品は基本的に靴型サイズ」という記事もありました。
それらの記事では、ナイキ・アディダス・プーマ・リーボックは靴型サイズのようですし、スニーカー・ビジネスシューズにかかわらず靴型サイズを採用している場合が多いようです。
実際、アディダスのスタンスミスは、通常履いている26.0cmではちょっときつい感じがしたので、26.5cmを履いてますが、そういう意味では靴型サイズと思われます。
4.まとめ
- 国内:JIS規格にしたがったサイズ表記であれば、ビジネスシューズやスニーカーなどの種類にかかわらず足入れサイズ(スニーカーがJISで定義する「靴」に相当するかは不明)
- 海外:ナイキ・アディダス・プーマ・リーボックなどは靴型サイズ、他もスニーカー・ビジネスシューズにかかわらず靴型サイズらしい
ただし日本製でも前述の足幅や足囲によってサイズ感(というかフィット感)は異ってくると思いますので、可能であれば実際に履いてみることをお勧めします。
5.参考サイト
参考サイトは下記です。ありがとうございました。